…人を人とも思わなくなったとき…

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 

堕ちてゆくのを
隠そうとしても
隠せなくなった人を
何人も見ました

(汲む、茨木のり子)

茨木のり子さんが
亡くなりました。
今朝のニュース報道です。

鋭い詩が多く、
これまで紹介してきたものを
読み直してみても、
やはり気づきがあります。

「ぱさぱさに乾いてゆく心を
 ひとのせいにはするな
 みずから水やりを怠っておいて
 …
 自分の感受性くらい
 自分で守れ
 ばかものよ」
 (自分の感受性くらい、茨木のり子)

「もはや
 いかなる権威にも
 倚(よ)りかかりたくない
 ながく生きて
 心底学んだのはそれぐらい」
 (倚りかからず、茨木のり子)

子供の目は初々しく、
素直な見方をするゆえに、
時に、グサリと刺さる。

それに耐えられないオトナは、
キレるだろうなぁ…

ただ、同じように見えて、
初々しいと足りないは違う。

初々しいまま、
知恵を加えることは出来る。
そして、賢明になっていく。

しかし、初々しいまんまで、
知恵を加えることをしなかったら、
きっと無思慮になってしまう。
初々しさで許されない行いや言葉が
出てくることだろう。

そういう態度でいながら、
プライドだけは一人前となると、
裏と表のアンバランスが生まれる。

その裏を隠して隠して隠して
生きていったとしても、
どこかで明らかになるんです。

プライドだけは一人前。
そういう人間が
一番始末に負えない。

(参考)自分の感受性くらい(茨木のり子)


モモ(ミヒャエル・エンデ)

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