愛されることと、
憎まれることは、
ほとんど差のないことだ。
(妖異記、宮城谷昌光)
自分の感情というのは、
自身がそれに飲み込まれないうちは、
それが、自分の行動を
いろいろ後押ししてくれる。
やる気を出させたり、励ましたり、
あきらめないように支えてくれたり…
憎しみでさえ、そんな役割を
果たしてくれるだろう。
しかし、いったん、
自身が感情に飲み込まれると、
話は変わってくる。
だから、愛が憎しみに変わるなんて
両極端なことが、自然に起きる。
不思議な気もするけれど、
人の心の中のブラックボックスは、
そんな変化を、いとも簡単に
やってのけてしまう。
人に嫌われないように、
と人は思うけれど、それは、
人に愛されないように、
と思うことに似ているかもしれない。
無理なのだ。
嫌われないようにと、自分を隠せば、
好かれたとしても、自分の偽りが
好かれただけの話になる。
それがいつまで続けられるかは、
分からないわけだし…
心のレベルが成長しない限り、
愛を語る資格もない、
ということだろうか。
語っている矢先から、
その愛が憎しみに変わるだろうから。
(参考)愛は憎しみを越えて(高橋信次)