…その時、人間の願望は欲望に変わる…

ただ生きたいと思うだけではなくて、
さらにその上に別の力、たとえば、
限りない富とか、絶対の安全とか、
不死とか、そういうものを
求めるようになったら、その時、
人間の願望は欲望に変わるのだ。

そして、もしも
知識がその欲望と手を結んだら、
その時こそ、邪なるものが立ちあがる。

(ゲド戦記、アーシュラ・K・ル=グウィン)

何か事件があって、
その犯人が頭の良い人だったりすると、
「頭の良い人」みんなが
悪人に見えたりする人がいます。

しかし、実際のところ、
頭の良さは、後についてきて、
そのパワーを発揮するだけで、
そもそもの悪の根源は、
人それぞれの欲望にあるはずなのです。

今朝、こんな言葉が投稿されていました。

「人が『つらい』と言うとき、
 ただ自分ひとりの状況を考えて
 『つらい』と言うのではありません。
 あくまで他人と較べて
 『つらい』だけなのです。」
 (作者不詳)     

人と比べた「つらさ」が、
このままじゃイヤだなぁ、
という願望に変わります。
そして、生きる力にもなる。

けれど、その願望が
行き過ぎるのを止められるかどうかは、
やはり、根本の人間性による…

人間性というものは、
そう簡単には変わらない。

不幸のどん底に落ちたとき、
逆に、ものすごく成功したときに、
バッチリ現れてくる。

私も欲望が強いからなぁ…
ちょっと危ないと思っていた方が
いいかもしれない。

(参考)ゲド戦記(アーシュラ・K・ル=グウィン)


こころの処方箋(河合 隼雄)

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