過去についての思い出は、
事実についての思い出ではなく、
事実だと思い込んでいたこと
についての思い出だ。
(英語)
Memories of the past are not
memories of facts
but memories of your imaginings
of the facts.
(事実:小説家の自叙伝、フィリップ・ロス)
私も勘違いをしやすい男で、
ある時期を思い出しては、
「実は、あの時の俺って、
けっこうモテていたのかも…」
なんて考えたりすることが、
年に1回はあったりする。
だいたい、
根拠も何もないけど、
思うのだけは自由。
誰も罪には問わない。
人によっては、
時が経つにつれて、
そういう記憶のようなものが、
「そうだったに違いない」
みたいな思い込みに変わる人も
いるでしょうね。
それにすがって
生きるつもりがなければ、
何の害にもならないけれど、
それにすがってしまった時には、
少し危険だと思う。
ありもしなかった過去に
すがって生きてしまえば、
きっと、今も未来も見たくなくなる。
過去とか思い出を
否定するつもりはないけれど、
やっぱり、思い込みで
それを塗り替えるのだけは
やめないとねぇ。
それに、もしかしたら、
思い込みで美化しようとしている思い出は、
何年か経った後には、そのままでも、
美しいものだったりするかもしれないよ。
(参考)父の遺産(フィリップ・ロス)