愛があると思うのも錯覚、
ないと思うのも錯覚。
(女のおっさん箴言集、田辺聖子)
あなたには、愛がない。
よく言われます。
あなたは、冷たい。
これも、時々言われます。
あなたは、事務的だ。
こんな言葉を使うのを好む人もいます。
私に、そんなことを言う人が、
情に厚いかといえば、
眺めていると、
そうでもなかったりします。
大切な人が入院しても、
一度も見舞いに行くわけでもなく、
他人の借金のために、
家族を苦しめることになったり、
お前と俺は一蓮托生だと言いながら、
逃げ足ばかり速かったりして…。
自分には、愛情がある、
と思ったら、それは勘違いで、
ないかもしれないと思った方がいい。
自分には、愛情のかけらもない、
と思ったとしても、
それも見誤っているかもしれない。
もしかしたら、
自分に愛情があるかないか、
よりも、
相手が愛情と感じるか感じないか、
が大切なんだろう。
愛情のない行動から、
相手が勝手に感謝して、
愛情を感じていることだってある。
つまり、愛についての勘違いは、
自分にも、相手にもありうる、
っていうこと。
それがいいとか悪いとかの
議論も必要なくて、
それはそれでいいのです。
愛は、そういうものだと思います。
ハッキリとつかもうとするから、
ウソとかが出てくることもある。
(参考)女のおっさん箴言集(田辺聖子)
No.2575