人は本当に死ぬまでは、…

人は本当に死ぬまでは、
自分が死ぬとは信じない。

(グラスホッパー、伊坂幸太郎)

誰かが死んでいる話は、
毎日のように
聞かされている。

それは、自分が生きていて、
まだ聞くことが出来るから、
耳に入ってくるのだ。

けれど、自分が死んだ話が、
自分の耳に入ってくることはない。

だから、私たちは、

自分は死ぬらしい…

ということしか分からない。
それが本当の話。

知識としては
分かっているつもりですが、
感情としては
分かっていないかもしれない。

すべての経験は、
生きている状態で
出来ることなので、
記憶として残ります。

しかし、たった1つ、
死ぬという経験は、
めったなことでは、
記憶に残りません。

死にそうになった、
という経験とは、
また違うでしょうからね。

それでも、臨死体験でもあれば、
生きることの重さ、
死んでいることの違いは、
分かるんでしょうけど、

その臨死体験でさえ、
必ずしもうまくいくとは
限りませんから、

誰もが憧れて、
進んで出来る経験じゃ
ありません。

一番いいのは、死ぬから
精いっぱい生きるとかじゃなくて、
死ぬかどうかに関わらず、
生きることにがんばれたらいいのでしょう。

(参考)グラスホッパー(伊坂幸太郎)

No.2607


常識にとらわれない100の講義(森博嗣)

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