今の女は幸せな自分を…

今の女は
幸せな自分を人に見てもらって、
「あなたは幸せね」って
言ってもらわないと負けなんだ
という強迫観念が、
強い気がするんです。
見える幸せにものすごく
囚われている気がして。

(源氏物語新聞[筑摩書房]、小島慶子)

見える幸せにとらわれる気持ち、
私もわかります。

男であれば、
見える成功にとらわれてしまう、
という感じでしょう。

持っているもの、
身につけ着ているもの、
乗っているもの、
行っているところ、
住んでいるところ…

ぜんぶぜんぶ見えるから、
他人のそれらを見て、
うらやましい、幸せそう、
と思ってしまう人は、きっと、
同じようなものを欲しがる。

そして、
そういう女性たちが集まれば、
すでに持っている女性が
「あなたって幸せだね」
「うらやましいね」
「あなたが理想だよ」
とみんなから言われたりするから、
自分がみじめに感じたりする人も
いるかもしれない。

幸せだねって自分が言われないと、
急に、自分の幸せに不安を感じてしまう。
もっともっと
手に入れられるものが
あるんじゃないか、
損しているんじゃないか、
だまされているんじゃないか、
そんな感情でしょう。

ささやかな幸せで
満足しているのが損で、
みんながうらやましがるもので
満たされてこそ本当の幸せだ、
という感覚を捨てない限り、
キリがありません。

幸せは十人十色。
それでいいはずですがね…

(参考)源氏物語(瀬戸内寂聴)

No.2937


道は開ける(ディール・カーネギー)

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