人は
心に取り込んだ
多くの言葉を支えに
生きているようでいて、
実際には
ほんの幾つかの言葉を拠り所に
生きているのだと思う。
(震度0、横山秀夫)
一度聞いたことは忘れない、
なんてことはありえない。
忘れることが多いから、
似たような言葉でも、
別の人が言った言葉に
感動したり、納得したりして、
また、新しい決心に
踏み込めたりするもんだ。
そうやって見れば、
人それぞれ、
自分のアンテナに
ピーンと来る言葉っていうのは、
けっこう限られているもんで、
多くの言葉を、
自分の土台にして生きている
というよりは、
限られた言葉を、
何度も聞かされたり、
思い出したりしながら、
それに自分を重ねて
生きているような感じでしょう。
ただ、重ねようとする時に、
ほとんどの場合はズレたり、
はみ出したりするところがあるから、
人間の生き様というのは、
心の拠り所と同じようはいかない。
どんな言葉を
心に溜め込んでいくか。
そこから、
どんな言葉を出していくか。
そんな言葉で、
人生はつくられている気がします。
(参考)震度0(横山秀夫)
No.2941
