ほかのすごく大事なことを…

ほかのすごく大事なことを
選べるようになると、
選べなかったことなんか
どうでもよくなっちゃうの、

きらいなら忘れちゃってもいいんだし、
好きならいっしょにいてもいいんだし。
それくらいどうでもよくなって考えてみると、
それほどきらいでもない
ってことがわかったから。

(キッドナップ・ツアー、角田光代)

嫌いだ、嫌いだ、大っ嫌いだ、
なんて思っているうちは、
心が閉じてしまっていて、

自分とその人(もの、こと)との
関係性なんかが見えなくなっている。

それは、きっと、
嫌いだと思いながら、
何かしら、それに
頼っちゃっている自分が、
どこかにいるからなんだろうな。

頼っているからこそ、
好きだとか、嫌いだとか、
そんな気持ちをハッキリと
持つようになる。

人間、どうでもいいことには、
そんな感情は出てこない。

きっと、考えることもないのだ。

信じなければいけないものが
目の前にあった場合なんかも、
きっと、そうだろう。

「あなたは、それを
 信じるの?信じないの?」

という問いかけが、いつも
されているような気がしてしまう。

自分の心を決めなくちゃいけない
というシーンに置かれてしまったら、
どうでもいいことが、
どうでもよくないことになるんです。

そうすると、
楽しかったことにも
緊張を感じてしまって、
楽しい思いがどこかに飛んでしまう。

好きでいるっていうのは、
案外、むずかしいもんなんだなぁ…

だから、人は、
どうでもいいと言いながら、
内心は好きだ、という状態が
意外と楽に感じられるのかもしれない。
ある意味、片思いの方が快適ってこと。

(参考)キッドナップ・ツアー(角田光代)

No.3033


人生の短さについて(セネカ)

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