だれかを好きだ…

だれかを好きだ
という気持ちの出所は
いったいどこだ。

嫌いな点や
食い違っている点を
幾つもあげても
嫌いになれないのはなぜだ。

(あしたはうんと遠くへいこう、角田光代)

好きな気持ちは、
不思議なもんです。

そう簡単に変わらない。
と思えば、
ちょっとしたきっかけで、
スルっと変わったりもする。

好きでいたい、
という気持ちがあるうちは、
きっと好きなまま、
あるいは好きな振りができる。

けれども、好きでいたい、
という気持ちが切れちゃう時がくる。

一方、嫌いになりたい、
と思いながらも、
付き合いの心地よさとか、
失いたくない愛情とかを
想ってしまうと、
離れられない感情というものもある。

なかには、
母性本能のような
依存、共依存の感情もある。

好きという気持ちの出所は、
人それぞれ違うから、
きっと、それを消すときの手段も
やっぱり違うんだろう。

好きという気持ちを、
嫌いという気持ちに変えないと、
人は、その人とつき合うときに、
冷静でいられないのだろうか。

嫌いという気持ちの強烈さも
考えたりすると、
好き嫌いっていうのは、
人間を複雑にしている原因に
なっているのかもと思ったりもします。

好き嫌いを、どれだけコントロールできるか。
人生を左右するテーマかもしれません。

(参考)再会 (重松清)

No.3191

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