人間、一線を踏みこえるのは…

人間、一線を踏みこえるのは
案外簡単なものらしい。

境界となる線はとても細くて、
無視しても大差ないもの
のように見えるから、
本人はその時点では
自分がたったの一歩で
どれほど大きなものを
踏みこえてしまったかに気づかない。
気づくのは必ず、後になってからだ。
そしてもちろん、後からではもう遅い。

(天使の梯子、村山由佳)

いい意味でも、悪い意味でも、
一線を踏みこえるか
踏みこえないかのところで、
迷っているうちは、
それに慣れていない証拠。

いい意味で慣れると、チャレンジが
どんどん出来るようになるけれど、
悪い意味で慣れると、罪悪感が失われる。

本当は、
それを選んじゃいけない、
って思っているんだけれど、

選んでしまうことがあります。

好奇心とか、
どうしてもあきらめきれない願望とか、
しがらみとか、執着とか…

自分では
止めようのないものを
感じることもあります。

そうなることが
分かっていたら、

もう、そういう選択の水際で、
そこから離れる以外に
方法はないのです。

誘惑に勝とうとか、
強い自分になろうとか、
そういう気持ちで近づいたところで、
負けることは分かっているんです。

仮に、1度勝ったとしても、
そこでおごることになって、
次には負ける可能性が高いのです。

一線をこえるのは簡単。
だからこそ、
そういう選択の前、水際で、
踏ん張るしかない。

(参考)天使の梯子(村山由佳)

No.4450


モモ(ミヒャエル・エンデ)

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