その病人が
たいせつであればあるほど、
藁に縋っても、
いかさまに頼っても、
救いたいと思ってしまう。
それが人の情だ。
情が弱さになり隙を作る。
いつの世にも、その情に、
その弱さにつけ込み
一儲けを企む輩がいるんだ。
いつの世にもな。
現れては消え、
消えたと思えば形を変えて、
また、現れる。
そして、そういういかさまに、
心が安らぐ病人も稀にだがいる。
ほんとうに、稀だがな。
そこが人って生き物の
摩訶不思議なところさ。
(桜舞う、あさのあつこ)
身内の病気、
っていうのは、
辛いものです。
治るために、
数日、1週間かかるくらいの
ことでさえ、
悶々としてしまいます。
それが、1ヶ月、半年とか
の期間になると、
「早くなんとかしてあげたい」
という気持ちにもなります。
大きな病気じゃなくても、
コンプレックスになっていること、
たとえば、
収入や容姿、体型を良くしたい、
という欲にとらわれると、
是が非でもなんとかしたい、
という思いが、
あやしげな商法や罠に
とらわれる引き金となる。
欲や願望は、
やる気のエネルギーになるけど、
そこをうまく
コントロールできないと、
痛い目に遭う…
二重の苦しみにならないよう、
注意が必要なんですね。
(参考)桜舞う(あさのあつこ)
No.5544