負けたのがほんとに
くやしくて泣けてくるぐらい、
たのしかったです。
(空の拳、角田光代)
負けるのは、
悔しいけれど、
悔しいと思うのは、
そう思えるほど、
がんばったってことでもある。
その、がんばったことは、
とても、嬉しいこと。
同著には、こんな言葉もあった。
「その手のひらが、
名声も栄誉も金も
つかまなかったとしても、
そのかわりに嫉妬や敗北感といった
負の何かばかりをつかんだはずがない。 」
勝って
「嬉しい」と思う気持ちも、
負けて
「悔しい」思いも、
人生の1コマにすぎない。
たしかに、
スポーツとか
さわやかな戦いであっても、
討論とか
言葉の戦いであっても、
勝ったという事実は、
人に自信を与え、
負けたという事実は、
屈辱感を与えたりする。
人によっては、
恨みや復讐心すら
持つ人だっている。
けれど、
1コマにすぎないものに、
あまりにもとらわれていると、
人生そのものの面白味を
失ってしまうかもしれない。
本当のところ、
人生の勝ち負けって、
目先の勝負の結果じゃないだろうな。
(参考)空の拳(角田光代)
No.5752