今まで黙ってたことなら、
今も言わなくていいよ。
そういう種類の話は、
黙ったまんまに
しておいた方がいいんだ。
しゃべっちゃおうと
思うのは気の迷いなんだ。
(ソロモンの偽証 第III部 法廷、宮部みゆき)
秘密は
秘密にしているときが、
一番価値がある。
けれど、
その秘密の価値が、
どれほどのものだったか、
っていうのは、
知られたときに初めて分かる。
ただ、
知られた瞬間から、
その価値はどんどん
下がっていく。
だから、
秘密の価値は
矛盾している。
そのため、
秘密の価値を
知らしめたくなる気持ちが、
一番危ない。
「私だけが、知っているんだぞ~。」
「私の秘密は、すごいよ。」
「知らなくて、かわいそう。」
なんて気持ちを、
行動に移しちゃいけない。
秘密をもらしたら、
だいたい、ガッカリすることに
なっているんだ。
「その程度のことか」
と言われたり、
もらしたことで
不利益をこうむったり…
そもそも、
自分に関心を向けたいがための
秘密なんか、持たない方がいい。
そして、本当に秘密なことは、
持っていることすら、言わない方がいい。
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