もし、とかね。あのとき、とかね、…

もし、とかね。あのとき、とかね、
いくら考えてもどうしようもないだろ、
だったらそんなことを考えないで、
今日一日をなんとか終わらせるんだ、
そうすっと明日になるからね、

私はさ、そういうふうにしか
考えたことがないから、
あんたの言うことは
何ひとつさっぱりわかんないの。

(月と雷、角田光代)

考えてもしょうがないことを、
考えすぎちゃったり、

じーっと見ていたところで、
自分の思い通りに
なるわけじゃないことに、
心がとらわれすぎたり、

何度言ったところで、
変わるはずもない他人の心を
怒っていたり、

人は、
自分ではどうしようもないことに、
じたばたすることが少なくない。

人生において、
どのポイントに
時間を注いだらいいのか、
ハッキリ分かっていたら
どれだけいいんだろう?

なんて考えることもあるのだが、

きっと、分かっていても、
それをやらないだろうとも思う。

今だって、
分かっていて、
やらないことがあるんだから、

それが増えたところで、
人は変わりっこないのだ。

結局、
とらわれてしまうことはある。

けれど、
とらわれすぎて、
病的になってしまう人もいる。

そういう人を見たり、
そういう兆しを自分に感じて初めて、
人は、あきらめを学ぶ。

とにかく、
今日を生きられたら、
上出来なんだな。

(参考)月と雷(角田光代)

No.5874


置かれた場所で咲きなさい(渡辺 和子)

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