将来に希望がないと、…

将来に希望がないと、
人間は悪事が平気になる。
世の中不公平なのだから、
少しぐらいのことは許されて
当然と思えてくる。

(噂の女、奥田英朗)

高校生になったばかりの頃、
別の高校に行った友人が、
バイク事故で亡くなった。

その友人とは、
中学校にて同じ卓球部の
ダブルスを組んだ仲だった。

彼の家に遊びに行ったのは、
1、2度くらいしかないと思うが、
いまでも、
お母さんと話したりしたことも
覚えている。

すでに、お父さんも、
事故で亡くなっていた。

ワルな友人だったから、
高校も中退してしまい、

同級生たちはこれから夏休みに入るぞ、
という頃の事故だった。

その事故で衝突された方の男性は、
偶然にも、その後私がアルバイトで
お世話になるスーパーの上司だったから、
縁とは、不思議なものだ。

学校を休んで、
お葬式に出席したが、
来るわ、来るわ、ワルな仲間たち。
人徳のあるヤツだったんだなぁ、
と改めて思った。

名前も「徳」と書いて、
アキラと読んでいた。

当時16歳、あれから30年近く経った。

勉強も好きじゃない、
ワルなヤツだった彼。

口の悪い私だったが、
どちらかといえば、
正反対のマジメ人種。

ワルとマジメが、
重なった時間には、
何があったんだろう。
希望はあったんだろうか。
ふと思う…

ワルはワルで、
真面目に考えて、
マジメはマジメで、
やっぱり真面目に考えて、
不公平感に圧倒されていたかもしれない。

感性の強い時期に、
生きるっていうのは
危ないことがたくさんあるんだな。

(参考)噂の女(奥田英朗)

No.5902


モモ(ミヒャエル・エンデ)

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