歴史は人間が
積み上げてゆくものだ。
だから、積み上げたものが
崩れるときは
どうやっても崩れるし、
歪むところは
どうつくろっても歪む。
その流れは必然で、
過去を知っている未来の人間が
タイムトリップしていって
あれこれ忠告したところで、
根本的に変えることなど不可能だ。
(蒲生邸事件、宮部みゆき)
ある意味、
ドラえもんのタイムマシンは、
存在するように思う。
本当に、未来の人間が、
今の自分たちに
助言するために来てくれる、
ということでなく、
そのまま突き進んだら、
こんな経験をすることになるよ、
とすでに経験した「昔の人間」が、
それに近い気がするからだ。
昔の人間は、
今の科学技術の進歩は
未経験だが、
その代わり、
今の自分たちが未経験の「年齢」と
それに伴う「出来事」は経験済みだ。
しかし、私もそうだが、
昔の人間の言葉には、あまり
聞く耳を持たない。
それなら、おそらく、
未来の人間の言葉にだって、
聞く耳を持つわけがないのだ。
私も含めて人間は、
自分で失敗して初めて学ぶ、
ということが圧倒的に多いのは、
そのためだろう。
(参考)蒲生邸事件(宮部みゆき)
No.7320