わたしは自分の経験したことに基づいて語り、
皆さんも自分の経験に基づいて聞きます。
これが意志疎通の難しさのゆえんです。
(デビッド・O・マッケイ)
ほとんどの人が、誰かに対して、
「なんで、この人は、
こんなに話の分からない人なんだ。」
と感じたこと、1度はあることと思う。
分かるわけがない…かもしれない。
やっぱり、分からない人ほど、
自分の経験の枠から外れたことは、
理解出来ないわけだから…
そもそも、
私が、誰かに対して、
「なんで、この人は?」と思うこと自体も、
自分の経験の枠から
抜け出せていない証拠だろう。
頭の中で、自分を分かってくれる人、
あるいは、分かっている自分自身しか
想定していないから、そういう感情が
もたげてくる。
映画でも、人の話を聞いても、
感動するところ、笑うところ、
涙するところ、それぞれがズレることがある。
ちょっと昔のFTV系ドラマになるが、
キムタクが出演した「ロングバケーション」を思い出す。
交際中の二人が映画デートをした後、
レストランで食事しながら、
感想を話しあう場面があった。
今でも、なぜか、よく覚えている。
一方が「あの場面、面白かった」と言うと、
片方は「あれ、ゆるせない、最低」と言う。
「感動した」と言えば、「なんで?」となる。
そんな会話を続けていくと、
感性がまったく違うことが
浮き上がってくる二人。
好きなのに、感性がズレている。
ちょっとのズレなら、
個性の違いが楽しめていいけど、
あまりにもズレてしまうと、
やっぱり、コミュニケーションはたいへん。
自分の周りに、
自分に共感してくれる人ばかりを集めると、
けっこう楽だけど、
いつまでも、枠から抜けきれないかもしれない。
ちょっと、自分の周りを
見回してみたいと思った次第である。