にんげん生きているうちは、
知らねえまに
世間へ借りや貸しができるもんだ
(さぶ、山本周五郎)
自分を与えて、何かを受けとる。
その繰り返しで、人生はすすむ。
仕事でも、恋愛でも、
家族でも、いろんな関係も…
しかし、どこかで
勘定があわない気がしてくる。
ほとんどの場合、
「損しているんじゃねぇか」という気持ち。
「あれ、ちょっと得した」とか、
「儲かった、ラッキー」っていう瞬間は、
あっという間に忘れてしまう。
「そっか、今の損は、あの時の埋め合わせだ」
なんて思えることは、めったにない。
でも、知らない間に、
そんな借りや貸しは、多く出来ている。
みんながみんな、
貸しだけはよく覚えていて、
借りをきれいさっぱり忘れてしまうから、
世の中、うまくいかない。
ただ、そのことをあんまり気にせず、
そんなもんだ、自分も含めて、と思えたら、
人生と世間の貸し借りも、
楽しめるような気がする。
自分自身も、そんなリラックスした心、
身につけたいもんです。
【参考】
三国志(北方謙三)