食べ物の困っている人に魚をあげなさい、そうすれば、…

食べ物の困っている人に魚をあげなさい。
そうすれば、その人の一日を
援助したことになる。

でも、もし、その人に
魚釣りを教えたのなら、
その人の一生涯に投資したことになる。

(英語)
Give a man a fish
and you feed him for a day.
Teach a man to fish
and you feed him for a lifetime.

(中国のことわざ)

ちょっと日本語訳に、
背びれ尾ひれをつけた感じですが、
「feed」は、投資という言葉が
ふさわしいように感じるんです。

それこそ、自分の子供には、
こんな感覚でふれあいたいと
思っています。

魚は、手元にありさえすれば、
すぐあげられます。
で、その方が簡単な場合も多い。

だって、それだけで、
「はい、さようなら。お幸せに…」
という対応も選べるんですから。
でも、明日も同じ問題が生じてくる。

それに比べ、
魚釣りを教えるのは、時間がかかる。
道具を揃えることから、場所選び、
いろんなことを含めると、
その場しのぎ目的じゃあ、
教える根気など出てこない。

やはり、育てたい思い、
自分の時間をそれに投資するだけの
気持ちがないと、出来ることじゃない。

また、急いで済ませることでもない。
もし、知っていることが多いなら、
相手の理解力、能力にあわせて、
ゆっくりと進めていくことも必要。

こんな話を聞いたことがあります。

ジョーンズさんという方が、
子供と一緒に、牛の世話をしていました。
子供の手際はあまり良くなく、
牛もかなり不快そうでした。

それを見ていた近所のおじさんが、
「ジョーンズさん、それじゃあ、
 立派な牛にはならないよ。」と一言。

ジョーンズさんは、ニコニコしながら、
答えたそうです。
「スミスさん、お分かりに
 なっていないようですね。
 私が育てているのは、
 牛じゃあないんですよ。」

なるほど、人を育てる時は、
何かを犠牲にすることにもなるんですね。
出来れば、その犠牲は最低限に
抑えたいところですが、

人に投資していくと決めたからには、
まあ、忙しい世の中とは言え、
ゆっくりと着実に育てていきましょう。

こんな言葉もあります。

「教育を受けた者だけが、自由になれる。」
 Only the educated are free.
 (エピクテトス)

私も、自戒です。

【参考】
「情」の管理・「知」の管理(童門冬二)

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