なんでもいいってのが、いちばん困る。…

なんでもいいってのが、
いちばん困る。

「何にでも効く」というクスリが
何にも効かないのと一見似ている。

(聖まる子伝、さくらももこ)

多分、今の時代に、
「なんでもいい」を使える人
っていうのは、

本当に何でも受け入れられる人か、

何にも考えたくない人か、

「なんでもいい」を
美徳と勘違いしている人、

のいずれかだと思う。

もし、美徳というのであれば、
どことなく、
ひかえめであれという
日本人的な感じに思えるけど、

職場の同僚だったアメリカ人にも、
そういう奴がいたんだよ。
確か、リックスって言ったな。

おごられたりする時に、必ず、
「なんでもいいです。好きです。」
と言うわけだな。

ところが、出てきて、
みんなが食べて始めれば、
彼の箸だけがいっこうに進まず、
数あるなかで、ある一品しか
食べていないっていうこともあった。

「口に合わないの?」と言っても、
「おいしい、おいしい。」と言うばかり…

同じようなシーンに何度も
出会ったが、彼のそういうポリシーは
なかなか変わらず。

結局、彼の「なんでもいい」は、
「何を出されても、食べたくないよ」
という意味に誤解されることになる。

自分が思っている美徳は、
場合によっては失礼になることもある。

「礼儀も過ぎれば、失礼になる」
っていう言葉は、本当だね。

あと、もう一つのパターンは、
気むずかしい人間に限って、
そんな言葉を使ったりすること。

「なんでもいい」って言いながら、
方向が示されると、色々ケチをつけたり、
後々、不満をもらしたりする人間。
困ったやつです。

「なんでもいい」という言葉の意味を
ちゃんと理解するべき日本人は、
まだまだ多いかもね。

美徳でもないし、「どうでもいい」
っていう意味でもない。

おまかせする意志であり、
出されたものは拒まず、
後々、不満も決して言わない
っていう意味なんだよ。

思い当たる人がいたら、
教えてあげてください。

【参考】
プロカウンセラーの聞く技術(東山紘久)


道は開ける(ディール・カーネギー)

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