人はね、何を言われたかは忘れるかもしれない。でも、…

人はね、何を言われたかは
忘れるかもしれない。

でも、それで
どんな気分にさせられたかは、
決して、忘れないもんだよ。

(英語)
They may forget what you said,
but they will never forget
how you made them feel.

(カール・W・ビューナー)

私たちは、他人の記憶に
けっこう関心がある。

たとえば、今日の私の服装は
みんなにどう思われただろうか。

今日の私の化粧は、
今日の私の肌具合は、
今日の私のヘアスタイルは…

なんていう感じに、
他人に映り、記憶に残る自分について、
とても心配している。

でも、実際は、そういう点で、
多くのことが他人の記憶に
残るということはない。

仮に残ったとしても、
「人の噂も…」っていう具合に、
間もなく、薄れていくものだ。

自分の記憶を
掘り起こしてみれば、それが分かる。
他人のそういう点について、
どれだけの記憶が残っているだろうか。

しかし、自分の服装や化粧よりも、
自分が原因で与えてしまった記憶は、
相手の心に強く残ると思った方がいい。

良きにつけ、悪しきにつけ、
そういうことじゃないか、と思う。

嬉しい一言、勇気づけられる一言。
辛い一言、ビックリした一言。
その言葉は忘れても、
その時の気分は…

だから、執念深い人とか、
恨み深い人に、悪い記憶を
残すようなことになったら、
あきらめるしかない。

挽回する努力を怠ってはいけないが、
挽回によって消えない記憶も
あるかもしれない、
と覚悟した方が気楽だ。

そういう失敗をするのは、
多分、そういう人のことを
学ぶためだろうから、
潔くしていた方がいい。

あまり心配しすぎると、
自分の心が滅入りすぎてしまう。

自分の記憶も、他人の記憶も、
思い通りにいくとは限らないから、
こういう言葉を事実として受け止め、
今後の教訓として、
次に進めさえすればいい、
ということもあると思う。

ま、本当の友達であれば、
お互い、そういう記憶を消す努力が
必要な時もあることでしょう。
それも、成長のチャンス。

【参考】
運と気まぐれに支配される人たち(ラ・ロシュフコー)


常識にとらわれない100の講義(森博嗣)

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