大事なことは、りくつのやりとりではない。…

大事なことは、
りくつのやりとりではない。
心が通じ合うことである。

(松下幸之助、大切なこと)

心の通じ合いが、
なかなか出来ていない
とたびたび思う私自身が、
こんな言葉を紹介するのは、
「なんて傲慢な…」
という気がするけれど。

相手が理屈で押してこようと
いう時に、こちらも、
理屈で押そうとしたらダメだ、
というくらいのことは、
経験で分かっている。

人間には、
自分には出来ない理想像を、
他人に当てはめようという傾向がある。
そして、同時に、その理想が、
自分をも縛ることになる。

たとえば、
感情的に物事を進めてはいけない、
という理想像も、その一つ。

だから、
その「感情的な姿」を隠すために、
人が使う方法は「理屈」である。

その「理屈」に真実はない。
したがって、その理屈を真に受けて、
対抗する理屈を必死に探したり、
懸命に言葉を多くしても、
効果があるわけではない。

相手が大切にしているのは、
「理屈」でなく、
「自分の感情」なのだから。

だからといって、
「あなたは、本当のところ、
 それをするのが怖いから、
 そんな理屈を言ってるんでしょ。」
なんて、自分では的を射たと思う言葉を
口に出しても、効果はない。

かえって、理屈で
自己防衛されるだけである。
私だって、そんなふうになる自分を
知っているから、よく分かる。

その相手でなくてもいいなら、
関係を断ち切れば、
それで済むような気もするが、
本当に、それでいいかは、
よくよく考える必要はあります。
一時的な感情で判断することは
ありませんように。

もし、物事を進めたいのなら、
「じゃあ、こういうことであれば、
 やっていただけるんですね。」
という感じに、一つ一つ気持ちを
確認していくしかない。

理屈でない、相手の本質に、
通ずることが最優先。

理屈は、その後で、
自分のためでなく、
相手のために取って付ければいい。

【参考】
人を動かす(デール・カーネギー)

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