…働けば、…お金があれば、何かいいことがあるのか?

「あるビジネスマンの話」

寝る間も惜しむほど働く、
働きづめのビジネスマンがいた。

彼は、久しぶりに、
数日間の休みが取れたので、
南の島にバカンスに出かけた。

しかし、ビーチで
のんびり寝そべっていても、
まったく、くつろげない。

仕事一筋で生きてきた彼は、
こうして休んでいることが、
無駄な時間を過ごしているように
思えてきてしまうのだ。

島の住民たちを見ていると、
ほとんど働く様子もなく、
毎日毎日、ビーチで
砂遊びをしていたり、
海で泳いでいたりしている。

彼は、次第にいらだちを募らせた。
「奴らは、なんて、怠け者なんだ。
 遊んでばかりいるから、
 貧しい暮らししかできないのだ。」

彼はいたたまれなくなって、
島の住民に声をかけた。
「君たちはなぜ働こうとしないんだ」

住民の一人が、
首をかしげながら答えた。
「働けば何かいいことがあるのか?」
「お金が稼げるじゃないか。」
「お金で、何かいいことがあるのか?」

彼は、あきれ顔で言い放った。
「お金があれば、私のようにこうして、
 南の島で、バカンスを楽しむこと
 だってできるじゃないか!」

(作者不詳)

「俺たちは、働かなくても、
 お金がなくても、こうして、
 南の島で楽しんでいるんだよ。」

みなさんも、こんな返事が
想像できたことでしょう。

今日の言葉は、
oracionさんからの投稿です。
その投稿とほぼ同時に、
別の方からのメールに、
ちょっと驚かされました。

「48歳…。不惑はとうに過ぎた…
 我慢が足りない!
 飽きっぽい!
 甘ったれるな!
 誰かの罵声が脳裏に響く…
 でも…これが俺なんだ… 
 何度自殺を図ったことだろう…
 自殺することにも興味を失った…
 疲れたなぁ…」

「自殺することにも興味を失った」
初めて見る言葉です。

いろいろ返事を考えましたが、
がんばりましょうとか、
リラックスしましょうとか、
プラス思考でいきましょうとか、
無責任なことは書けませんでした。

疲れている…のですから。

考えてみれば、
働いてストレスや疲れがなければ、
バカンスもいらないわけで…

最低限、食べるために働くのは
当然のこととしましょう。
しかし、その先で、自分としては、
何かを手に入れるために働いたとしても、
別の方法で、同じものを
楽に手に入れている人を見た時に、
自分が働いたことがムダだったぁ、
としか思えないような働き方だったら、
やっぱり、「違う」んだろうなぁ。

他の人をうらやむことなく、
欲しいものを手に入れながらも、
自分の働き方自体にも満足する、
そんな人生でないと、
長い満足感はないように思う。

楽しむのはバカンスでなく、
人生そのものですからね。

そして、その人生の一部に、
仕事も勉強もあるわけです。

余談。
私は、タバコを吸わないので、
「タバコくらい
 吸わせてもらわないと、
 ストレスが解消できないよ。」
なんて嫌味を言われることがあります。
私は、タバコを吸わなくても、
ストレスが解消できているわけで、
人生とタバコ、あるいは酒の関係も
少し似ているような気がします。

【参考】
禁煙セラピー/読むだけで絶対やめられる(アレン・カー)


常識にとらわれない100の講義(森博嗣)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です