恋愛というのも、
相手を所有したいと思ったとたん
相手に見事に支配されてしまう。
お金というのも、
お金を所有したいと切望したとたん、
お金に支配されてしまう。
およそ何かを所有して意のままに
あやつりたいと思った瞬間から、
その対象物に自分は所有されてしまう。
(できればムカつかずに生きたい、田口ランディ)
面白い原則ですね。
そして、そうかもなぁ、
って納得しちゃう私がいます。
所有したい、つまり、
ずっと自分のものにしたい
というような思いは、
どこかに「無理」がある。
モノは変わり、時代も変わり、
そのうえ、自分も変わるという
現実があるのだから。
そこに、「ずっと」を考えちゃうと、
まず、自分を変えないことも
考えなくてはいけない。
自分が変わらずにいられますか?
ふつうは、無理でしょう。
それを変わらずにいようとする段階で、
その思いに、自分が縛られてしまう。
支配されてしまう。
もちろん、いい意味で、
変わらないということは
ありえると思いますが…
何かを所有するために、
変わらないということは、
目的が違うわけです。
自分の美しさを所有し続けたい、
と願ったとしても、
年にはかないません。
変わらない「美しさ」にこだわるとすれば、
「美の亡者」になり支配されることでしょう。
金の亡者、恋の亡者、名誉や地位の亡者、
何もかも同じことと思います。
田口ランディさんは、
同著のなかで、こんなことも言っています。
「やって来るものを受け止めながら
手放していけばいいんだよ。
どんなものでも自分にやって来るものは
プレゼントだ。
受け止めて手放せばいい。」
所有にこだわらず、
手放すことを忘れなければ、
本当に「自分のもの」になるかもしれない。
そんな気がしました。