人は出会う人の影響は受けはしても、…

人は出会う人の影響は受けはしても、
結局自分で成長するしかないと
思っています。

どんな素晴らしい恋愛も、
その人のアイデンティティを
保証しません。

(雑誌「anan」、角田光代)

私たちは、
何かに出会うたびに、
何かをもらっている。

反対に、時には、
その出会ったものに、
何かをあげていることもある。

だから、
いい人に出会って、
いい本を読んだことで、
いいものをもらった気分になると、

自分という人間が、
ワンランクアップしたような
気がしてきます。

けれど、
ワンランクアップの実感は、
そう長く続くもんじゃない。

本当に、
自分の実となっているかどうかは、
それだけでは分からない。

友だちとの幸福感も、
仕事での達成感も、
恋での充実感も、

自分の家に帰った瞬間、
吹っ飛んでしまうようなものだとしたら、
そして、そういう現実が、
自分の周りに残っている上に、
自分も揺らされてしまうのであれば、
まだまだ、アイデンティティじゃない。

自分が素の状態のときに、
どんな人間性であるか、
そこに、アイデンティティが
見えてくるんだと思います。

(参考)対岸の彼女(角田 光代)

No.2800


こころの処方箋(河合 隼雄)

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