怒りってさ、結局、…

怒りってさ、結局、
他人に何かを求めることから
生まれるんだよ。

他人に何かを求めて、
それがかなわないから怒る。
それって俗物以外の何物でもない。
それに怒りなんて何の役にも立たない。
ただ、公平な目を失うだけのこと。

(横道世之介、吉田修一)

他人に何も求めなければ、
期待はずれも、
助けてもらえなかった、
分かってもらえなかった、
という感情も湧いてこない。

約束なんかしていなくても、
勝手に、求めてしまう人もいる。

そして、

「そっかぁ、あなたは、
 そういうことをする人なんだね」とか、

「分かった、分かった、
 あんたのところでは、
 私のような人間をそう扱うんだね」とか、

捨てゼリフを言い、
かき回して消えていく人もいる。

そもそも、
怒るなんていうことは、
その人の選択であり、

怒りそのものは
生きていれば何度もあるけれど、
それを他人に押しつけて、
自分では、状況を何も変えようと
しないことが、一番ダメなこと。

じゃあ、たとえば、
自分に何かを期待して、
それを果たせなかった時に、
自分への悔しさとか、
怒りが湧いてくるか。

あくまで、
他人のせいにして、
勝手に怒っているか。

そこで、どういう感情の選択を
するかで、人生は変わる気がする。

自分と他人に対して、
公平になれるかどうかも、
そこにありそう。

(参考)横道世之介(吉田修一)

No.3559


こころの処方箋(河合 隼雄)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です