人っていうのはやっぱり、
言葉にして伝えないと
相手には気持ちを理解されないんです。
だけど、言葉にするのを省いて、
うまくコミュニケーションが取れないと、
「どうして分かってくれないのか」
と腹が立ったり、
「きっと相手は自分をこう思ってるのだ」と勝手に先回りをして、
怒ったりして、結局、雪だるま式に
関係は悪くなっていくんです。
(SOSの猿、伊坂幸太郎)
言葉にするコミュニケーションを、
わざと省いていることが、
時々ありますね。
その理由は、
人それぞれかもしれません。
なんていうか、
相手に対する意地とか、
自分のプライドとか…
ささいな理由から、
そういうものを貫こう、
としていたりする。
そして、それが、
ちょっとしたきっかけで、
元通りになる機会があればいいけど、
そういうことが何もないまま、
時間が過ぎて、
コミュニケーションが
ますます遠のけば、
強くなるのは、
思い込みと疑いだけ。
人間は、時々、
見えないものを感じられる。
しかし、いつも、そうはいかない。
だから、言葉のコミュニケーションを
うまく使っていないと、
そんな思い込みと疑いで、
関係は悪くなっていくのです。
わたしも、
これまで生きてきて、
そういう関係を
作ってしまった相手がいるから、
よく分かるなぁ。
察してほしい、という願望が、
そもそも身勝手なんですよね。
じゃあ、
察してほしいと願っている自分が、
相手のことを察しているか、
ってことなんですよ。
言葉を使わなきゃ
分からないこともありますって。
(参考)SOSの猿(伊坂幸太郎)
No.3794