何が起こるかは誰にもわかんないのよ。
だから私たちが進化するためには、
死というものがどうしても必要なのよ。
…死というものの存在が
鮮やかで巨大であればあるほど、
私たちは死にもの狂いでものを考えるわけ。
(ねじまき鳥クロニクル、村上春樹)
人の生にふれると、
人の死にふれると、
ふと、思い起こさせられる。
ああ、こうやって、
新しい生命が生まれて
育っていったら、
自分たちは、いつかは
消えていくんだなって。
そう考えた、
それに気づいた短い瞬間だけ
かもしれないけれど、
いっとき、
生きることに一生懸命になれる。
そして、やっぱり、
避けられないものが、
大きいとき、ハッキリしている時、
人は、ものすごく恐れることもあるけど、
逆に、
大胆な勇気をもって
挑むこともできると、
分かってくる。
それもこれも、
命に限りがあるから、
考えが及ぶことなんですよね。
限りがあることを
忘れていたり、
今は若いから、
それがいつまでも続くような
勘違いしていると、
必死になれる時期を逃してしまう。
「なんだか、
やる気になれないんだよね」
そういうセリフは、
甘えの証拠かもしれない。
今どこに立っているか、
よく見たほうがいい。
(参考)ねじまき鳥クロニクル(村上春樹)
No.3812