大好きで、泣かせたくない人を
一人作っておくんだ。
…
でないと生き方が
どんどんデタラメになって、
だらしなくなる。
(子どもたちは夜と遊ぶ、辻村深月)
だれを好きになるかで、
ヘアスタイルや服装、
ライフスタイルまで
変わってくる。
それは、やっぱり、
その人の気に入られようとか、
認められようとか、
ほめてもらおうとか、
そういう気持ちもあるだろうけど、
その人の期待を
裏切ってはいけない、
って思う場合もあるはず。
この人に見放されたら、
自分は終わりだな、
絶対に泣かせたくないな、
って感じる相手がいれば、
たしかに、いい生き方を
選べるようになるかもしれない。
それは、誰がいいか。どんな人か。
今さら、親のために、
そんなことを思うことはできない、
っていう人もいるだろう。
伴侶、兄弟姉妹、
身内に対してのそんな感情は、
きれいさっぱりないという人でも、
この人のためなら、
っていう相手が出てくるかも。
ただね、その相手が、
あまりにもコロコロと変わると、
自分の生き方もそうなりかねない。
一番いいのは、
そういう対象として、
神様を信じることのように思えるが、
それですら、信じ方次第では、
コロコロ変わる「自分の心」を
信じているだけに過ぎないこともある。
泣かせたくない相手、
信じられる相手、
頼りになるものを作るのは、
時間のかかることもあるんでしょう。
(参考)子どもたちは夜と遊ぶ(辻村深月)
No.3837