「歯車」という言葉には、
良いイメージがない。…
だが、結局のところ
人は皆、歯車である。
会社でも、家庭でも、
なくてはならない歯車だ。
常に動き続けることを
期待される歯車である。
歯車から受ける印象は
ちっぽけで無力だが、
それが担っている役割は
果てしなく大きく、
そこに求められるのは、
狂ってはならない精緻なリズムだ。
(空飛ぶタイヤ、池井戸潤)
人間は、やっぱり、
何かしらの歯車になっている。
でも、卑下する必要はない。
歯車こそが大切だ。
1つ欠けただけで、
全体が止まることだってある。
歯車っていう言葉が、
軽視されてしまうのは、
ちっちゃな部品であり、
その完成品について言えば、
かなり大切だけれど、
部品そのものは、
大量生産でたくさん造られ、
場合によっては壊れやすく、
交換されたりするからだろう、
って思います。
「交換できる」っていうのも、
なんだか重要度を下げるイメージが
ありますけれど、
私たち人間は誰もが、
世代が進むときに必ず、
次の人々と代わる時期が来るのです。
ずーっと、そこに居座れる人など、
どこにもいない。
ちっぽけな人間だろうが、
代わりのいる人間だろうが、
その役割に精いっぱい生きている限り、
一人一人は大切だ。
自分自身がその役割を
捨ててしまった時だけ、
成長が止まるんだと思います。
(参考)空飛ぶタイヤ(池井戸潤)
No.4516