結婚さえすれば……

私は結婚の前に、
結婚さえすれば
なにもかも安定して、
うまくいくという
過剰な幻想を抱いていたんです。

でも結婚したからといって、
自分のなかで抱えている問題が
なくなるわけじゃないですよね。

(和子の部屋、阿部和重+島本理生)

生きている時間が
長くなってくると、

問題は
降りかかってくるんじゃなくて、
自分がずーっと抱えていて、
それがふとしたきっかけで、
ひょっこり顔をだしてくる
ようなもんだと感じてきます。

そこを理解しているか否かで、
問題と向き合う姿勢も
違ってくるように思います。

大人も、子供も、
しっかりと問題を
抱えています。

子供の問題は、
大人になっていく「未来」の
問題にもつながっていくので、
かなり大切でしょう。

つまり、
その解決方法を、
まわりの大人が
どのように導くか、
どう選ぶかによって、
人生も変わってくるわけです。

子供が今タイヘンそうだから、
悩んでいるから苦しんでいるから、

それを取り除いてあげよう、
まわりの大人がガマンしよう、
という選択もありでしょうが、

未来においてもずーっと、
まわりの人々から
そのような配慮をしてもらえるとは
思えません。

となれば、
問題の苦しみに
向き合うことは大切で、

特効薬を求めたり、
与えることは、
賢明でないと言えます。

(参考)和子の部屋

No.4523


こころの処方箋(河合 隼雄)

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