人は真実を知りたがる。
あるいは、
自分の知っているものを
真実だと思いたがる-
つまり真実が何かなどは、
二の次なのだ。
(恋物語、西尾維新)
人は、
確かめざるを得ない。
確かめないと、
前に進めないことが多いから。
自分はいい人だよな、頭がいいよな、
好かれているよな、面白いよな、
カッコイイよな、美人だよな、
立派だよな、上手だよな…
自分の方が正しいよな、
そんな感じのことを
確かめたい。
もっと言えば、
そういう側面が見える部分だけを
見たい、聞きたい、確かめたい。
そして、できれば、
そう見えない側面には、
近づきたくない。
見たくない、聞きたくない、
知りたくない。
そういう気持ちは、
本当のことを
知らずにいてしまう、
なんてことにもなりかねない。
同じように、
噂話に対しても、
思いたいように聞いてしまう。
だから、人の噂話は、
口から口に伝わっていくにつれ、
人の頭を通る数だけ、
話の内容がちょっとずつ、
ズレていってしまう。
真実はこれだと思い込んでいるより、
真実はなんだろうと探求している自分、
そんなふうに思っておくのも、
一つの方法だ。
(参考)恋物語(西尾維新)
No.5683