みんな、中途半端に
他人のことなんて思いやるから、
自分のことがおざなりになって、
結局、他人に迷惑をかけるのよ。
(真綿荘の住人たち、島本理生)
自分のことすら、
ちゃんとやれない人から、
思いやりをかけられると、
なんだか、歯がゆい気がしてくる。
けれど、
自分のことを
ちゃんとやれないとはいっても、
それが子供だったりすると、
思いやりをかけられるのも、
なんだか悪くない。
心温まる…
ただ、
自分のことは
自分で出来るんだ、
と体現したい方が
高齢者のなかにはいて、
席を譲られたり、
声をかけられたりという
「思いやり」にひどく
立腹されるという場合も
あるようだ。
思いやりってのは難しい。
たしかに、
自分のことを、
しっかりやらないで、
他人のことばかり
やろうとするのは、
思いやりじゃないかもしれない。
「思いやり」のように見えて、
「逃げ」の場合もある。
それが本当のところ、
何かってことは、
後にならないと、きっと、
分からない。
善意に見せかけて
人をだますという犯罪を
目にする、耳にすることが多くなり、
思いやりが理解されること自体が、
そもそも、なかなか難しい時代に
なったのかもしれない。
(参考)真綿荘の住人たち(島本理生)
No.5702