一見、手遅れの発見は、
不幸の極みのようにうつります。
しかし、考えてみてください。
それまで何の屈託もなく、
自由に充実した毎日が
送られていたわけです。
(大往生したけりゃ医療とかかわるな、中村仁一)
問題があるなら、
出来るかぎり早く早く
発見できたほうがいい。
これは、多くの人に
受け入れられている「常識」だ。
しかし、常識とはいえ、
個々人の情報処理能力や
感情コントロール力を考えると、
それだけが正しいとは
言えない状況もある。
小さい問題であるのに、
早く発見しすぎて、または
問題を大きく受け止めすぎて、
心労が早くふくらみ、
どんどん消耗していくのが、
いいこととは言えない。
それよりだったら、
遅く発見して、
あきらめるしかない、
という精神状態も悪くない。
あきらめることによって、
「今は何ができるか」
という肝心な問題に
集中もできるのだ。
たしかに、
早く解決できた方がいい。
けれど、
手遅れと思われる状況でも、
できることはある。
失った時間は、
もったいないかもしれないが、
心を失うよりは、
まだマシだと考えられる。
No.5736