人は目でものを見る。…

人は目でものを見る。
だが、見たものを留めるのは心だ。
人が生きるということは、
目で見たものを
心に留めてゆくことの積み重ねであり、
心もそれによって育っていく。

心が、ものを見ることに長けてゆく。
目はものを見るだけだが、
心は見たものを解釈する。
その解釈が、時には目で見るものと
食い違うことだって出てくるのだ。

(桜ほうさら、宮部みゆき)

娘らが卓球をやっていたため、
大会の際には、
自分の試合だけでなく、

ライバルの子の試合結果も
気になるものです。

ぜんぶの試合を
見届けられるわけじゃないので、

「どうなった?」

「負けてた」

「えー?!」

という会話も出てくる。

しかし、しばらくすると、

「おいおい、さっきの間違ってたよ。
 ○○さん勝ち進んで、
 ちゃんと次の試合してたよ。」

なんて教えることになったりもする。

同じものを見ていても、
心がそれを受け入れなければ、

見なかったことになったり、
解釈だけでまったく
違った意味のものを見たことに
なったりもする。

試合結果という
ハッキリしているようなことにも、
それが起きるんだから、
世の中のことは、いろんな人が、
どんなふうに見るか計り知れない。

人間の目って、ある意味すごい。

(参考)桜ほうさら(宮部みゆき)

No.7004


常識にとらわれない100の講義(森博嗣)

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