大事なもの、
すなわちそれは神になる。
(EPITAPH東京、恩田陸)
For where your treasure is,
there will your heart be also.
これは、新約聖書の、
マタイ6:21の英文です。
日本語にすると、
あなたの宝のある所には、
心もあるからである。
(口語訳)
あなたの富のあるところに、
あなたの心もあるのだ。
(新共同訳)
となります。
若干違いますが、いずれにしろ、
大切にしたいものがあるところには、
(場合によっては、執着するもの)
自分の心も、常にあるようになる、
ということでしょう。
そのことばかり考えてしまう、
どうしても心がとらわれてしまう、
という意味に受けとめます。
それがモノである場合には、
壊れることを怖れ、
それがヒトである時には、
放っておかれたり
関わりが薄くなることを怖れ、
それがコト(成功経験、思い出)だと、
過去にしがみつくようになったり、
失敗や嫌な経験だったりすると、
悔しさや、憎しみに心が埋もれます。
良いものか悪いものかに関わらず、
心に常にあるものは、あたかも、
その人の「支配者」のようになり、
大きな力を持つようになるわけです。
それも無意識のうちに…
人の集中(執着?)力ってすごいですね。
(参考)EPITAPH東京(恩田陸)
No.7607