何かを美味しい、と思うのは、
ただ料理の味のみで
決まるものではない。
どんな場所で誰と食べるか、
というのも大いに味を左右する。
見知らぬ者同士が
料理をきっかけに話したり、
ほかのお客の会話に
相槌を打ったりして、
和やかな雰囲気の中で食べるものは、
いずれも美味しく感じるものだ。
(みをつくし料理帖06―心星ひとつ、高田郁)
栄養のあるもの、
健康的なものとは言えないが、
幼い頃によく食べていたものが
(あるいは、食べさせれていたもの)
むしょうに食べたくなることが
あるものです。
身についてしまった嗜好
というものでしょうか。
もちろん、その反対に
絶対に食べたくないと
思わせてしまう経験に
なるものもあります。
「また」食べたいと
思わせるものも、
「もう」食べたくないと
思わせるものも、
その時の思い出とともに
呼び起こされる感情では
ないだろうかと思います。
自分にそう思わせる食べ物、
あるいは思い出のなかで、
1つでも幸せなものがあったら、
いいことかもしれませんね。
No.7609