今までいつも、
自分だけが貧乏くじ
引いているような気がしてたけど、
そんなのはただのわがまま
だったんだって思いました。
みんなひとりひとりに別々の生活があって、
学校に行って、友達がいて、家族がいて…、
そのひとつひとつが大変なことなんだけど、
大変なのはおれだけだと
思ってたところがありました。
自分だけのことしか考えてなくて、
世界におれだけみたいな感覚があって…、
だけどそういうのって違うんだと思った。
みんな言わないけど、
きっと大変なことや悩みがあって、
きっとおれだけじゃなくて…。
(14歳の水平線、椰月美智子)
雪国に住んでいると、
雪の降らないところに住みたいな、
とか思ってみたりするけれど、
雪の降らないところはそれはそれで、
別の災害に見舞われるニュース報道を
見聞きして、それもなんだかなぁ、
と考えたりします。
おそらく、自分の人生と、
「うらやましく見える」他人の人生の
比較においても、似たようなことが言えて、
自分の人生と、他人の人生を
その内情を洗いざらし見せ合えば、
それまでうらやましく思っていた気持ちが
180度ひるがえって、
「こっちの人生のままでいいや」
なんて思い直す人も多いだろうって考える。
それを浅はかな判断というのだろう。
そういう浅はかさがなくなるためには、
どれだけの経験をして、何を考えたら、
いいんだべな。