見ている

今日のいい言葉,いい言葉

速断せずに期待しながら
見ていることによって、
今までわからなかった
可能性が明らかになり、
人間が変化してゆくことは
素晴らしいことである。

しかし、これは随分と
心のエネルギーのいることで、
簡単にできることではない。
むしろ、「わかった」と思って
決めつけてしまうほうが、
よほど楽なのである。

この子の問題は母親が原因だとか、
札つきの非行少年だから更生不可能だ、
などと決めてしまうと、
自分の責任が軽くなってしまって、
誰かを非難するだけで、ものごとが
片づいてたような錯覚を起こしてしまう。

(こころの処方箋、河合隼雄)

ものごとを、そのまま見ている、
というのは、簡単でない気がします。

たとえば、朝起きて、
夢を見たことを思い出し、
これは「良い夢だ」「悪い夢かな」
なんて考えることをしないように、

「きれいだ」とも「汚い」とも
「好きだ」とも「嫌いだ」とも
「良い」とも「おかしい」とも思わないで、
ただただ「こういうことなんだ」くらいに
受け止めながら、見ている感じでしょうか。

それが出来たら、勘違いも、思い込みも、
なくなるんだべども、やっぱり、そうはいかない。
必ず、自分の中のフィルタがもたげてきて、
「そのまま」を邪魔してしまう。難しいな。


こころの処方箋(河合 隼雄)

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